ふとがAI時代の分岐点

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「ふと」がAI時代の分岐点になる

AIに関する話題が増えるなかで、気になることがあります。「AI活用を検討する」という言葉が、やけに多く聞こえてくることです。

会議が開かれ、資料が作られ、計画が立てられる。でも、どこかちぐはぐな感じがする。それはなぜだろうと考えていたとき、ふと気づきました。AIを「ちゃんとしたもの」として扱おうとしているからではないか、と。

「ふと」でいい

AIとの付き合い方に、構えはいらないと思っています。

「こういうツールを作れたら便利かも」「この作業、もっと楽にならないかな」——そういうレベルの思いつきで十分です。むしろそのくらいの軽さがちょうどいい。

私自身の話をすると、構造化マークアップを支援するツール(schema.cdef.site)を作ったきっかけも、まさにそうでした。構造化マークアップのパラメータがいちいち英語で、作業のたびにピンとこない感覚があった。「なら、意味をつけて作っちゃえ」と、ふと思ったのが出発点です。

綿密な計画があったわけでも、需要調査をしたわけでもありません。ただの「ふと」から始まりました。

スタートができるから、要望が出てくる

AIがある今、「ふと」を行動に移すコストは劇的に下がっています。

かつては「時間をかけて作っても使えなかったらどうしよう」という不安が、行動を止める理由になりました。でも今は、AIと一緒にプロトタイプをまず形にすることができます。頭の中にあったものが、比較的早く目の前に現れる。

そうすると面白いことが起きます。「あ、ここはこうしたい」「これも加えられるかも」というアイデアが、作りながら出てくるのです。スタートを切れるから、要望が生まれる。動かしてみるから、見えてくるものがある。

不安を頭で解消しようとするより、とりあえず動くものを目の前に置いてしまう方が、ずっと早く前に進めます。

「AI活用を検討中」の人が多い理由

それでも、AIを使い始めることへのハードルを感じている人は少なくありません。

その理由のひとつは、「間違った判断をしてはならない」という意識の強さだと思っています。AIが登場する以前、間違えた判断から立て直すのはそれなりに大変でした。時間もコストもかかる。その経験則が体に染み付いていると、環境が変わっても行動はなかなか変わりません。

でも、実行コストが下がった今、判断の閾値も一緒に下げていいはずです。やってみて違えば直せばいい。そのサイクルが速く回せるのが、今という時代の特徴です。

「AI活用を検討する」という姿勢は、まだ昔の環境を前提にしているのかもしれません。

みんな、勘違いしているかもしれない

AIというと、何か大きなことをするためのツールだと思われがちです。でも実際は、「ふと思ったこと」を気軽に試せる、すごく便利なやつです。

難しく構える必要はありません。「ふと」思ったことを、そのままAIに打ち込んでみてください。計画がなくてもいい。完成形が見えていなくてもいい。

その小さな一歩が、AI時代の分岐点になると思っています。

著者:稲本浩介

著者:稲本浩介

コミュニケーション設計所代表 / 情報アーキテクト

「わかりやすく伝えるにはどうしたらいいか?」を常に考える福岡の情報アーキテクト(IA)。前職では主にWebサイト制作にディレクターやエンジニアとして関わり、ホームセンターや老舗菓子メーカーのEC事業の構築および運用にゼロから携わる。その活動は、ウェブサイトの枠に限定せず、動画やイベント実施などコミュニケーションという視点でのわかりやすさを追求。大学や社会人講座、企業における講演経験もあり多方面にて活動中。

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