そもそも、何を基準に判断すべきか
FAQリッチリザルトが検索結果に表示されなくなった今、「既存のFAQPageスキーマをどうするか」という実務判断が残ります。ここで基準にすべきは、表示効果の有無ではありません。表示効果はすでに消えているため、この軸で考えると常に「削除」という結論しか出てこなくなります。判断すべきは、保守コストと、機械可読性を残す意義という2つの軸です。
事実(前提の要約)
FAQリッチリザルトは2026年5月7日をもって検索結果への表示が終了したと報告されています。Googleは既存のFAQPage構造化データを削除する必要はないという立場を示しているとされ、未使用の構造化データがSearchに問題を起こすことはないとも説明されています。この経緯の詳細は、別記事「FAQリッチリザルト廃止で「構造化データは意味がない」と思う前に問い直したいこと」で扱っています。
判断基準(表)
| 論点 | 削除を検討する材料 | 温存を検討する材料 |
|---|---|---|
| リッチリザルト表示 | 実装目的がリッチリザルト表示だけだった場合、その効果はすでに失われている | もともと副次的な効果と捉えていたなら、この論点自体が判断材料にならない |
| 保守コスト | ページ内容を変更するたびにスキーマ側の同期が漏れている/管理者不在で放置リスクがある | 実装済みで、コンテンツ更新フローに組み込まれており追加コストがほぼない |
| AI検索での参照可能性 | 現時点では、引用への寄与を定量的に裏付けるデータが乏しい(未確認要素) | Q&A構造の明示は音声・生成AIの理解を助ける可能性があり、コストが小さいなら残す理由になる |
| Search Consoleのエラー | 拡張性レポートでエラーが出続けている/放置されている | エラーがなく、既に安定稼働している |
判断フロー(簡易)
- Search Consoleの拡張性レポートでエラーが出ているか確認する。出ていれば、修正するか削除するかをまず検討します(エラーを放置する選択肢は基本的にありません)。
- コンテンツを更新するたびに、スキーマ側の同期が取れているか確認する。取れていなければ、温存する場合は運用フローの見直しが前提になります。
- 実装・保守コストと、機械可読性を残す意義を天秤にかける。多くの場合、実装済みで同期が取れているなら「温存」、放置されて同期が崩れているなら「一旦削除し、必要になったら作り直す」が現実的な結論になります。
迷ったときの補助線
質問と回答という構造そのものは、FAQPageというスキーマタイプを使わなくても、ページ本文の見出し構造(hタグ)や本文の書き方である程度機械に伝えることができます。「構造化データを維持できないなら諦める」のではなく、「構造化データがなくても伝わる書き方をしているか」という基本に立ち返る選択肢もあります。
schema.cdef.siteでの確認
実装済みのFAQPageスキーマが構文的に正しいかどうかは、無料ツールschema.cdef.siteで検証・生成できます。削除するにせよ温存するにせよ、まず現状の実装が正しい構文になっているかを確認しておくと、判断の土台が安定します。
まとめ
削除か温存かは、表示効果ではなく保守コストと機械可読性の意義という2軸で考えるのが実務的です。なぜこの論点が浮上したのか、その背景を改めて確認したい場合は、別記事「FAQリッチリザルト廃止で「構造化データは意味がない」と思う前に問い直したいこと」もあわせてご覧ください。