生成AIで作られた動画の使い方のひとつの”解”と感じた事例
公開日:2026/01/08
この記事をざっくりまとめると・・・
グッドパッチさんの採用サイトで使われた表現を自社のサイトでテスト的に略式に実施。フィードバックから感じるのは「使い所」のデザインか。
・・・ということが書いてあります。
2025年の年末。ウェブ制作界隈で少しざわつきがありました。もしかしたら私が勝手にざわついたのかもしれませんが。。。
それは、グッドパッチさんの採用サイトが素晴らしい感じになっているということでした。これを担当されたは株式会社ベイジさん。ウェブ制作界隈は有名ですよね。
このサイトの素晴らしさの本質は、その情報力と情報設計思想だと理解をしていて文章の構成やその配置など練りに練られたさすがなものになっています。またこのサイトのリリースタイミングも別企画でグッドパッチさんが佐久間宣行事務所のWEBサイトを作った話題でグッドパッチというワードが注目されたタイミングというまさにコミュニケーションデザインが絡みに絡み合った見事な仕立てに驚愕していました。
これらのコアな話は実際の方々に任せるとして、グッドパッチさんの採用サイトにおいてプロじゃなくても目を引くであろうところにもれなく私も目が行きました。
それは、そう「動く絵」です。
撮影した動画じゃなくて撮影した写真を生成AIで動かした
サイトを見てもらったら一番わかりやすいのですが、写真が動いているのです。しかもすごくいいバランスで。別のXの投稿で拝見をしましたが、まさに「ハリーポッターの世界」がそこにありました。
製作者の投稿を見ているとこれは、「動画を撮影したのではなく、生成AIで写真を動かしたもの」ということです。なんのツール、どういうプロンプト・・というのはさておき、巷で出回っている写真から生成AIで動画にしていくものから仕上がったものとしてそこにあるわけです。
生成AIで作ったコンテンツの使い所
皆さんはどうでしょうか?生成AIで画像や動画は確かに作れます。実際私もブログの挿絵などに使ったりしています。しかし、どこか趣味の域を越えることができない・・という感じがどこかにありませんか?出来上がるものの使い所というか出来上がるものの役割が、いまいちバチっとハマる気配がなかったのが事実です。
しかし今回のこの使い方は見事というほかないと心から感じました。
タイトルにあるように「ひとつの”解”」がここにあるように思いました。
早速、パクって試してみた
とはいえ、この生成AIで作られた写真→動画(なんと表現していいかわからない)は、このサイトだから成立するだけなのかもしれません。ちょっと試してみようということで、過去に作った写真→動画のサンプルを保存していたので、その動画を使って自社サイトの写真の部分を変えてみました。
差し込んでみたものがこちらです。
どうでしょう?それなりになっていますね。
ありものでとりあえず作ってみたものではありますが、こちらを公開し印象を聞いてみることにしました。
印象の声が興味深い
いただいた様々なご意見が非常に興味深いフレーズがありました。いくつか記載しますと
✅ お!動いてる(喋ってる)
✅ 稲本さんだけど稲本さんじゃない笑
✅ コンテンツとの相性と動画のクオリティにもよるねぇ
✅ モロ生成AI感があるので、一気に「存在しない人」みたいになっちゃてる
✅ メッセージのエリアで架空人物感はダメだなw
いい反応ですね。すごく学びの多い反応だったように思います。
キーワードは「架空人物感」
このワード。かなり私にとっては大きなワードでした。架空人物感。これは「稲本さんだけど稲本さんじゃない」にも通じるものじゃないでしょうか?実際AIによって作られたものですから、私だけど私じゃないわけなので、架空人物であることは間違いないのです。
ここからは少し整理ができていないところではあるのですが、この架空人物感は「私を知っている」というフィルタがあるからこそ働くということもあるのじゃないか?とは思いました。もちろん、今回の写真→動画はとりあえず作ったものなのでクオリティが低いという大きな事実は要因としてあることは当然として、その上でも「知ってる人」が写真でAIで動かされた時に「違和感」がどこかしら生まれ「架空人物感」が出てくるのだろう。。。と。
逆にいえば、「知らない人」だったら、その架空人物感をどれくらい感じるのだろう?と。
グッドパッチさんの採用サイトを改めてみてみましょう。(あー、やっぱりすごい)
ここで掲載されている方々は、私は面識がないこともあってかパッと見、違和感は感じませんでした。しかし、少しじーっとみたりしてみると違和感がどんどん感じられるのです。lookとseeとwatchの違いなのかなとはふと思いますが、とても情報の取得方法として興味深く感じました。
使い方の一つの”解”ではあるが、使い所は重要
今回の実験で、感じたのはこれです。写真→動画の生成コンテンツの使い方の一つの”解”として今回の事案があるのは間違いないですし、そこにしっかりしたクオリティがあればなおのことなのでしょう。しかし、使い所というものと合わせてデザインをしないと、場合によっては面白みが優先しミスコミュニケーションが生まれるものであるという理解が必要です。
もらったコメントであるように、「メッセージではない」のでしょう。
クライアントワークに使えるかはまだ微妙
すごく面白い表現だし、ちょっとした未来感のあるコンテンツであることは確かです。あとファンタジーな要素もしっかりあります。そしてこの採用サイトが話題になればなるほど、「こういうのうちもやってみたい」ということになることは間違いないです。事実私もやってみました。
しかし、これがクライアントワークとしてどこまで?というのは非常にドキドキするものです。その理由として考えられるものは「人が意図した形に生成AIがコンテンツを作ってくれる保証がない」ということに尽きるかなというものです。
もちろん、グッドパッチさんやベイジさんはその辺りの試行錯誤をプロンプトを駆使して時間をかけて丁寧に作られたから、あのデザインとあのコンテンツに仕上がったのだと思います。それを忘れては、勘違いしてはいけないのです。
「生成AIに投げたら作れるんでしょ?」じゃないということです。
生成AIに投げてこのコンテンツが出来上がるまでには、それはそれは大変な苦労があるんだ。
ということを忘れてはいけないし、それができないと今回実験的に私がやったレベルにとどまってしまうわけです。
感想
久しぶりに、いい刺激というか驚きをもらったサイトに出会うことができました。そして、実験も行うことができいろんな方からのフィードバックももらって学びの多い1週間実験でした。
やってみてわかることが多いので、怖がらず試して意見もらって自分の意見を作っていく。これが自分の価値につながっていけばなと思います。

著者:稲本浩介
コミュニケーション設計所代表/情報アーキテクト
「わかりやすく伝えるにはどうしたらいいか?」を常に考える福岡の情報アーキテクト(IA)。前職では主にWebサイト制作にディレクターやエンジニアとして関わり、ホームセンターや老舗菓子メーカーのEC事業の構築および運用にゼロから携わる
。その活動は、ウェブサイトの枠に限定せず、動画やイベント実施などコミュニケーションという視点でのわかりやすさを追求。大学や社会人講座、企業における講演経験もあり多方面にて活動中。
▶︎ X(Twitter): @sevenina


