AI情報の波に飲まれないための「戦略的・引き算」の思考法
公開日:2026/01/29
この記事をざっくりまとめると・・・
AIツールが爆発的に増え、情報の濁流に追われる日々。「すべてを知らなければ」という焦りを感じていませんか?
本記事では、情報に溺れず、自分らしい価値を生み出し続けるための「戦略的・引き算」の思考法を紹介します。

「情報の洪水」の正体は、AIの民主化である
かつてAIは専門職だけの高度な道具でした。しかし今、それは一般ユーザーの日常へと急激に降りてきています。これは皆さんも感じられることではないでしょうか?そして開発のハードルが下がったことで、個性的で便利なツールが爆発的に国内外含め増えてきています。
この「専門領域の一般化」こそが、日々私たちの元へ押し寄せる情報の濁流を生んでいる正体です。選択肢が無限に増えた今、私たちは「すべてを知る」ことよりも「何を選び、何を選ばないか」という力を試されているように感じます。
正直に言えば、私自身も追うべき情報がどんどん増え、ある時点で完全に追いきれなくなりました。追いきれなくなった時、シンプルに「取り残される」という焦りがありました。しかしその焦りの中で気づいたのは、アップデートやできることがどんどん増えていくなら、今完璧に使いこなせたとしても、結局また便利になって追いかけ直しになる、ということでした。
だったら、興味のあるものにフォーカスを当てておいていいのではないか。その判断が、この「引き算の思考法」のスタート地点でした。今思えば、少し開き直りに近い感覚だったかもしれません。
「追わない領域」を決め、情報に主従関係をつくる
流れてくるすべての情報を等しく追うのは、戦略的ではありません。私は自分の本業である「戦略」に軸足を置き、周辺領域の情報については、あえて深追いしないという線引きをしています。
- ✔️ 戦略・基盤領域: 深く掘り下げ、最新動向を注視し、実際に試します。
- ✔️ 周辺領域(ビジュアルデザイン・動画制作など): タイトルで流れだけを掴みます。少し引っかかれば中身をざっと見る程度に留めます。
このように自分の中で情報の解像度を使い分けるフィルターを持つことが、脳のパンクを防ぎ、思考の純度を高める鍵となります。
そして興味深いのは、絞り込むことで逆に情報に主従関係が生まれたことです。幹が決まれば、あとは枝葉として理解できます。結局、主軸ではない情報も関連情報として整理された状態で得られるようになります。すべてを均等に追うよりも、構造的に情報を理解できるようになったのです。
情報との「出会い」を、運として受け入れる
私の情報収集の中心は、主にXのタイムラインです。ただし、能動的に検索したりハッシュタグを追ったりするのではなく、流れてきたものに「引っかかったら」読むというスタイルを取っています。
これはもう、運というか情報との出会いだと思っています。すべてをコントロールしようとせず、自分のアンテナに引っかかったものだけを拾う。その方が、結果的に自分にとって本当に必要な情報に辿り着けます。
しかし気をつけていることがあります。それは、アンテナを絞り込まないようにするということです。わざと・・と言っていいくらいに自分のアンテナを広げることで「情報に出会う運」の幅を意識的に広げています。「追わない領域」は決めていますが、「触れる情報の幅」は意図的に広く保つ。この使い分けが、偶発的な発見を生む余地を残してくれます。
「試してみる」は、感覚と手軽さで決める
情報に触れたとき、最も大切にしているのは「一旦試してみる」という実感を伴うプロセスです。
ただし、すべてのツールを試すわけにはいきません。私の判断基準は、正直なところ「面白そうと思うかどうか」という感覚が一番大きいです。あえて言語化するなら、「楽にできそうかどうか」。導入や理解のハードルが低ければ、とりあえず触ってみます。
文字情報として頭に入れるだけでは、それはまだ他人の言葉でしかありません。実際に手を動かしてツールに触れる。この「一次情報の獲得」があって初めて、その技術が自分にとって真に有用な武器になるのか、あるいは単なるノイズなのかを正しく判別できるようになります。そんな気がします。
AIは「過程」であり、人間が「句読点」を打つ
AIのアウトプットを、そのままゴールにしてはいけないというのが私のスタイルです。それはあくまで長い思考プロセスの中の一要素に過ぎません。私は、AIとの共同作業において必ず「自分自身のタスク」を介在させるようにしています。
例えば、記事を書く場合:
AIに丸投げして書かせるのではなく、あえてAIに「自分へのインタビュー」を依頼します。自分の内側にある言葉を引き出させ、構成を練り、最後は必ず自分の手で校正します。
プロセスの中に「自分の手」を動かす余白を残しておくこと。AIに主導権を渡さず、人間が最後に意志を持って「句読点」を打つ。それが、情報の波に飲まれず、自分らしい価値を創造し続けるための唯一のスタンスです。
まとめ
いかがでしょうか?あえて冒頭で情報の濁流という表現を使いましたが、今AIにおけるいろんな情報が自分にとって合うもの合わないものを含めて押し寄せています。もし、「大変だな」と思う方がいらっしゃれば、何か参考にしていただけると嬉しいです。
まずは、自分の「幹」を一つ決めてみることから始めてみてください。すべてを追わなくていい。その安心感が、思考の余白を生み出してくれるはずです。

著者:稲本浩介
コミュニケーション設計所代表/情報アーキテクト
「わかりやすく伝えるにはどうしたらいいか?」を常に考える福岡の情報アーキテクト(IA)。前職では主にWebサイト制作にディレクターやエンジニアとして関わり、ホームセンターや老舗菓子メーカーのEC事業の構築および運用にゼロから携わる
。その活動は、ウェブサイトの枠に限定せず、動画やイベント実施などコミュニケーションという視点でのわかりやすさを追求。大学や社会人講座、企業における講演経験もあり多方面にて活動中。
▶︎ X(Twitter): @sevenina



