生成AIに使われていませんか?答えではなく、ヒントを求める3つの実践
公開日:2025/10/23
この記事をざっくりまとめると・・・
生成AIに「答え」を求めすぎると、私たちは「使われる人」になってしまいます。AIはパートナーであり、道具ではありません。「ヒントをもらって自分で判断する」「前提を逆に振って視野を広げる」「最終判断は自分でする」。この3つを実践すれば、AIを使いこなす人になれるでしょう。
・・・ということが書いてあります。
「AIが大した文章を書いてこない」
生成AIが話題になり始めて半年くらい経過した頃、そう言って相談をしてきた人を見て、私は思いました。
この人、AIに「答え」を求めすぎている、と。
生成AIが話題になって久しいですが、間違った使い方をしている人がそこそこいるように感じてなりません。どういう間違いか、、それは「答えを求めすぎている」ということです。
今回は、AIとの正しい付き合い方について考えてみたいと思います。
あなたは「作る人」「使う人」「使われる人」のどこにいる?

生成AIが登場して以来、AIと人の関係性において、私は3つのタイプに分かれると考えています。
- ● 作る人(少数):まさにAIを開発する
- ● 使う人(理想):AIとパートナーとして付き合う
- ● 使われる人(多数):AIに判断を委ねる
この分類は、AIが世間で話題になり始めた頃から感じていたことです。私自身、大学で少し人工知能を学んだこともあり(意外でしょ?)、AIには関心がありました。
当初は魔法のようなものとして捉えていた時期もありましたが、次第に「そういうものではない」と気づきました。
そして、最近特に世間の動きを見ていると、多くの人が「使われる人」になっているように感じます。
なぜか?
答えを求めすぎているからです。
「使われる人」の特徴:答えを求める

具体例を挙げましょう。
ある人がAIにこう指示しました:
「ある企業の幹部との食事会に行った後のお礼のメールを書いて」
返ってきた文章を見て、その人は言いました。
「大した文章じゃない」
でも、考えてみてください。
AIは、その食事会に参加していません。どんな企業なのか、どんな話をしたのか、何に感謝すべきなのかも知りません。
それなのに、「いい文章を書いてこい」と要求する。
そして、もし良い文章が返ってきたら?おそらく、そのままコピペしていたはずです。
これが私の言う「使われる」ということです。
良いか悪いかの評価しかできず、自分で考えることを放棄している。いや、もしかしたら評価すらしていないのかもしれません。
AIの出力をそのまま受け取り、自分の判断を手放してしまっている。
「使う人」になるための3つの実践

では、どうすれば「使う人」になれるのか。私が考える3つの実践を紹介します。
実践1:答えではなく、ヒントを求める
もし「使う人」なら、お礼メールの場面でこう聞くんじゃないでしょうか?:
「企業幹部との食事会後のお礼メール、どういうところに気をつけたほうが印象のいいメールになる?」
すると、AIはポイントを教えてくれます:
- ● 具体的なエピソードを入れる
- ● 次のアクションを明示する
- ● 感謝の理由を具体的に書く
このヒントをもとに、自分でメールを書くのです。
答えを求めるのではなく、ヒントをもらう。
これが「使う」ということです。
他の例も見てみましょう:
企画を考える時:
- ❌「企画案を出して」
- ⭕「この企画、どういう視点が抜けてる?」
提案書を作る時:
- ❌「提案書を書いて」
- ⭕「提案書で重要なポイントは何?」
プレゼン準備の時:
- ❌「スライドを作って」
- ⭕「どういう構成にすると伝わりやすい?」
ヒントをもらって、自分で判断する。最終的なアウトプットは、自分で作る。
もちろん最近は便利なツール(GenSparkなど、調べながら回答を作ってくれるAI)があるので、それらを使うことはいいと思うのですが、
あくまで途中で使う程度にしないといけないと思っています。
これこそが、AIとの健全な付き合い方です。
実践2:前提を逆に振ってみる
私自身、AIを「壁打ち相手」として使うことが多いです。あくまで対話の相手として、一緒に考えるパートナーとして付き合っています。
ある時、「生成AIの使い方セミナー」の企画を考えていました。
最初は、ある程度リテラシーがある人をターゲットに、AIとアイデアを練っていきました。良い案が出ました。
でも、ふと思いました。
これは「自分にとって都合のいい答え」かもしれない。
だから、前提を真逆に振ってみました:
「AIどころか、PCに触れることすらほとんどしない人に向けたセミナーだったら?」
すると、全く違うアイデアが生まれました。
最初の案は「使い方」に焦点が当たっていましたが、逆の案は「なぜAIが必要なのか」という根本的な問いから始まるものでした。
この2つを掛け合わせることで、新しい視点が生まれました。
答えを「深める」のではなく、視野を「広げる」。
自分に都合のいい回答だけを受け入れるのではなく、あえて異なる視点を求める。これができるのは、相手がAIだからかもしれません。人間相手だと、意見の衝突が起きることもあります。それに終盤でいうなんて、批判を浴びる行動だったりもしますよね?
でも、AIなら衝突も批判もせずに、様々な視点を試すことができます。
実践3:最終判断は自分でする
ここまで読んで、こう思った方もいるかもしれません。
「それでも、AIの回答が優れていたら、それを採用してもいいのでは?」
もちろん、AIの回答が優れていることはあります。でも、大切なのはその判断を自分でするということです。
AIは万能ではありません。人間ですら完璧じゃないのに、AIが完璧なはずがありません。
AIからはヒントをもらう。複数の視点をもらう。でも、最終的に決めるのは自分です。
「この判断、本当に正しいか?」と問われた時、自分の言葉で答えられるかどうか。
もしそれを放棄した時、そのアウトプットは「あなたじゃなくてもいいもの」じゃないでしょうか?
それが、「使う人」と「使われる人」の決定的な違いです。
今後、危惧していること

このままだと、「AIが出すものが正解になる」世界が来ると思っています。
AIが正解を出すのではなく、AIが出したから正解、になる。
でも、それって本当に正解でしょうか?
そう問われた時、答えられない人が増えていく。
それが、「使われる人」が増えるということです。
放っておけば、生成AIの出力が「正解」として扱われる世界になります。人間の判断力が低下し、AIに依存する人が増えていきます。
でも、それに対抗する方法はあります。
答えではなく、ヒントを求める。前提を逆に振って、視野を広げる。最終判断は、自分でする。
これを続けることです。
まとめ:AIは道具じゃない、パートナーだ

生成AIは、道具ではありません。パートナーです。
使うでも使われるでもなく、一緒に考える相手として付き合いましょう。
答えを求めるのではなく、ヒントをもらう。
最終判断は、自分でする。
「使う人」になるか「使われる人」になるか。
それは、あなたの使い方次第です。
自分の考えを持ち、自分で判断する。AIはそのサポートをしてくれる存在です。
そして、AIとの健全な付き合い方を学ぶことで、私たちは「寛容」を身につけられるかもしれません。異なる意見を受け入れ、思い込みや価値観に固執しない姿勢。
それは、AIとの対話を通じて鍛えられるものです。
生成AIとの付き合い方を変えることで、私たちはより豊かな思考と、より優しいコミュニケーションを手に入れることができるでしょう。
おまけ
ちなみにこの記事自体も、生成AIにインタビューをしてもらいながら、原稿の構成を書き上げ、叩き台を作ってもらった後自分自身で加筆修正を行なっています。

著者:稲本浩介
コミュニケーション設計所代表/情報アーキテクト
「わかりやすく伝えるにはどうしたらいいか?」を常に考える福岡の情報アーキテクト(IA)。前職では主にWebサイト制作にディレクターやエンジニアとして関わり、ホームセンターや老舗菓子メーカーのEC事業の構築および運用にゼロから携わる
。その活動は、ウェブサイトの枠に限定せず、動画やイベント実施などコミュニケーションという視点でのわかりやすさを追求。大学や社会人講座、企業における講演経験もあり多方面にて活動中。
▶︎ X(Twitter): @sevenina



