GA4×生成AIで見落としを発見する分析の始め方
公開日:2026/02/19
この記事をざっくりまとめると・・・
GA4を開いても「自分が見やすいデータ」ばかり見ていませんか?生成AI(Claude/ChatGPT)に「何か気になる?」と聞くだけで、見落としていた異常値や改善ポイントが浮かび上がります。CSVアップロードで今日から始められる実践的な分析手法を解説。
・・・ということが書いてあります。
GA4の数値は「何が起きたか」しか教えてくれない
「直帰率が50%です」「平均セッション時間は2分30秒です」
GA4を開くと、さまざまな数値が並んでいます。でも、これらの数値が教えてくれるのは「何が起きたか」だけ。肝心の「なぜそうなったのか?」は、結局のところ自分で考えなければなりません。
しかも、GA4は項目数が多く、それぞれの指標が持つ意味を完全に理解するのは簡単ではありません。データ量もそれなりにあるため、結局「自分が見やすいデータだけを見ている」という状態に陥りがちです。
私自身、この自覚がありました。毎回同じような項目ばかりチェックして、見慣れない指標は後回し。
もちろん、その見慣れた項目で多くのことは完結するとは思います。定点観測としては正解なのでしょうが、
これでは本当に重要な気づきを見落としているかもしれない——そう思ったとき、生成AI(Claude、ChatGPTなど)にデータを見てもらうことを考えました。
生成AIは「違う角度」からデータを見てくれる
生成AIにGA4データ分析を「丸投げ」するわけではありません。すごく大事なポイントなのですが、分析の主導権はあくまで自分が持ちます。ただ、自分では気づかない角度からの指摘をもらうことで、見落としていた問題点や改善ポイントが浮かび上がってくるのです。
人間は誰しも何かしらのバイアスを持っています。例えば、以前の記事で書いたように「CVRが上がった!」と喜んでいたら、実際のコンバージョン数は減っていた——こんな見落としは、自分だけで分析していると起こりがちです。悪い言い方になりますが、人は都合のいい数字を見たくなりがちなのです。
生成AIは、こうしたバイアスを補正してくれる存在として機能します。見ているデータは同じでも、違う角度から見てもらえる。これが最大のメリットです。
まずはデータを渡すところから—MCPサーバー vs CSV
生成AIにGA4データを分析してもらうには、まずデータを渡す必要があります。方法は大きく2つあります。
方法1: MCPサーバー接続(上級者向け)
私はオンラインセミナーで知った「MCPサーバー」という仕組みを使って、ClaudeとGA4を直接接続しています。これにより、リアルタイムでデータを取得・分析できます。ただし、技術的なハードルはやや高めです。
方法2: CSVアップロード(初心者向け)
もっと手軽な方法は、GA4から期間を指定してデータをダウンロードし、CSV形式で生成AIにアップロードすることです。期間はできるだけ長く設定するのがポイント。データ量が多い方が、傾向や異常値を発見しやすくなります。
私の場合、GA4だけでなくサーチコンソールのデータもCSVで渡したり、実際のページURLをサンプルとして送ったりして、複数のデータソースを組み合わせています。
初めての方は、まずCSVで試してみることをおすすめします。 技術的な準備なしで、今日からすぐに始められます。
最初の質問は「バクッと」でいい
データを渡したら、いよいよ質問です。ここで重要なのは、最初は漠然とした質問をすること。
私がよく使うのは、こんな質問です:
- ✅ 「これらのデータを見て、気になるところはない?」
- ✅ 「異常に感じるところはない?」
具体的な質問——例えば「このページの直帰率が高い理由を考えて」——は、自分が気になっている箇所がはっきりしているときには有効です。でも、それは自分でもGA4の探索機能で調べられます。
気づいていないところは、質問すらできない。 だからこそ、生成AIに「全体を見て、何か変なところない?」と尋ねるのです。
これは、生成AIに分析を「丸投げ」するのではなく、分析における補助や拡張をしてもらうという意識です。主役はあくまで自分。生成AIは、見落としを補完してくれるパートナーです。
実例:クライアントサイトで発見した「botアクセス激減」
以前、クライアントのサイトで急激なアクセス減少が起きたことがありました。GA4の数値を見ると、確かにセッション数が大きく減っています。でも、「なぜ?」が分からない。
そこで生成AIにデータを渡し、「気になるところはない?」と尋ねました。すると、こんな指摘が返ってきました:
- ✅ PV/セッション比率が異常に高い
- ✅ 時間帯が異常に均等(深夜も高水準)
- ✅ Desktop比率が異常値を示している
これらを総合すると、「botからのアクセスが激減した可能性がある」という仮説が浮かび上がったのです。
実際にbotを疑ってデータを確認すれば、こうした項目をチェックするかもしれません。でも、「botかもしれない」というきっかけがなければ、そもそもその視点で見ることすらしません。
生成AIは、この「きっかけ」を与えてくれました。複数の異常値を組み合わせて、一つの仮説を提示する——これは、生成AIの強みが発揮された例です。
生成AIの指摘は「参考意見の一つ」として扱う
ただし、生成AIの分析結果をそのまま鵜呑みにしてはいけません。役に立つ反面、間違いも起こすのが生成AIです。
私は生成AIから得た考察を裏付けデータとして掲載しつつ、最終的には「AIはこういう回答をしているが、それらを踏まえてこう思う」という論法でクライアントに報告しています。
分析結果から導かれる答えは、唯一ひとつではありません。いくつもの可能性がある中で、AIから出てくる結果は「結果の一つ」と割り切っています。
結果を見て、自分自身が納得できるかどうか。この基準を持っておかないと、誤った情報を流すことにもなりかねません。
まとめ:まずは「雑に聞いてみる」ところから
GA4×生成AIでの分析、まずはここから始めてみてください:
- ✅ GA4からデータをダウンロード(期間はできるだけ長く)
- ✅ 生成AI(Claude、ChatGPTなど)にCSVをアップロード
- ✅ 「何か気になるところはない?」と雑に聞いてみる
MCPサーバーの実装ができれば理想的ですが、ハードルが高ければCSVで十分です。技術的な準備に時間をかけるより、まずは試してみることが大切です。
次回は、生成AIの分析結果を「鵜呑みにしない」ための具体的なチェックポイントや、実務での活用法について詳しく解説します。
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著者:稲本浩介
コミュニケーション設計所代表/情報アーキテクト
「わかりやすく伝えるにはどうしたらいいか?」を常に考える福岡の情報アーキテクト(IA)。前職では主にWebサイト制作にディレクターやエンジニアとして関わり、ホームセンターや老舗菓子メーカーのEC事業の構築および運用にゼロから携わる
。その活動は、ウェブサイトの枠に限定せず、動画やイベント実施などコミュニケーションという視点でのわかりやすさを追求。大学や社会人講座、企業における講演経験もあり多方面にて活動中。
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