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Googleがあなたのページを「書き換える」前に、今できることがある

はじめに

2026年1月、Googleがある特許を取得しました。

タイトルは「特定のユーザーに合わせたAI生成コンテンツページ」。
Forbes Japanの記事では「あなたのウェブサイトを終わりにする新特許」と表現されています。

https://forbesjapan.com/articles/detail/93840

少し怖いタイトルですが、落ち着いて読み解いてみると、この変化は「突然やってくるもの」ではありません。むしろ、すでに起きていることの延長線上にあります。

そして、この変化をうまく使えば、差別化の大きなチャンスになるかもしれません。


すでに起きていること——titleタグの書き換え

Web担当者であれば、もしかしたら一度は経験があるかもしれません。

自分たちが設定したページタイトル(titleタグ)が、Google検索結果ではなぜか別の文章に変わっている——そんな経験です。

これは数年前から実際に起きていることで、Googleが「このタイトルよりも、ユーザーにとってこちらのほうが分かりやすい」と判断した場合に、自動的に書き換えています。勝手にやらないでよ・・と思いますが。。。

今回の特許は、この「介入」がさらに大きなスケールで起きる可能性を示しています。タイトルだけでなく、ページ全体をGoogleが生成したバージョンに置き換えるかもしれない、という話です。


特許の内容を、できるだけシンプルに言うと

Googleは、検索結果に表示されるランディングページを「スコア」で評価しています。

評価の軸は、コンバージョン率(購入や問い合わせに至る割合)、直帰率、デザイン品質など。このスコアが一定の基準を下回ると、Googleが代わりにAIでページを生成して表示する——というのが今回の話題になっているシステムのようです。

さらに注目したいのは、このAI生成ページには広告ユニットとして表示される可能性があるという記述があることです。つまり、自分たちが作っていないページへの誘導に対して、広告費が発生するかもしれない。

Forbes Japanの記事はこう表現しています。「自分のウェブサイトは近い将来、『あってもなくてもいいもの』になるかもしれない」と。なかなかドキッとする内容ですね。

ただし、これはあくまで特許段階の話です。特許が即座に全面実装されるわけではありません。しかしGoogleが目指す方向性は、この特許から明確に読み取れます。最近のこの辺りの技術面から考えると即座ではないでしょうが、遠い未来の話ではなさそうです。


これはリスクか、それともチャンスか

同じ状況を、別の角度から見てみましょう。

Googleが生成するAIページは何を材料にするかというと、ユーザーの検索履歴と、あなたのサイトから抽出した情報です。

ここに重要なヒントがあります。

AIが得意なのは、製品のスペックや価格といった汎用的な情報の整理と表示です。逆に、AIが最も代替しにくいのは「なぜここで買うのか」というストーリー、その会社・お店固有の個性や文脈です。

Amazonと同じ商品を扱っていても、「なぜあなたのお店から買うのか」という答えはAIには作れません。それはあなたにしか作れません。

つまり今回の変化は、「汎用的な情報だけを並べたページ」は生き残れなくなる一方で、固有のストーリーを持つページはより強くなるという時代の訪れとも読めます。


では、何をすればいいか

Forbes Japanの記事はこう言っています。

「あなたの仕事は、もはや『目的地』を作ることではない。『パーツライブラリ』を作ることだ。」

少し難しく聞こえますが、要はこういうことじゃないでしょうか?

Googleが正しく読み取れる情報を、きちんと用意しておく。

具体的には——

  • 製品情報は正確に、抜け漏れなく
  • 「なぜここで買うのか」を言葉にしてページに載せる
  • ブランドのストーリーや信頼の根拠を、テキストで明示する

そしてここで一つ、提案があります。

全商品に対していきなり対応しなくていいです。

まず1つの商品だけ選んで、掲載されている情報を徹底的に見直してみませんか?

スペックは正確か。写真は十分か。「この商品をなぜここで買うのか」が伝わる言葉はあるか。

1つ丁寧に作ることで、Googleの変化に「関わった」経験が生まれます。その経験が、次の判断の根拠になります。まだ未知の方向性ではありますが、関わっておくことは必要な内容だと思っています。


まとめ

  • Googleの介入は「今回が初めて」ではなく、titleタグ書き換えからすでに始まっている
  • 今回の特許は、その介入がページ全体に及ぶ可能性を示している
  • AIが代替しにくいのは、汎用的な製品情報ではなく「ここで買う理由」というストーリー
  • まず1商品、情報を徹底的に見直すことから始める

「へぇ、そうなんだ」で終わらせず、1つだけでいいので、今日ちょっとだけ確認してみてください。

著者:稲本浩介

著者:稲本浩介

コミュニケーション設計所代表 / 情報アーキテクト

「わかりやすく伝えるにはどうしたらいいか?」を常に考える福岡の情報アーキテクト(IA)。前職では主にWebサイト制作にディレクターやエンジニアとして関わり、ホームセンターや老舗菓子メーカーのEC事業の構築および運用にゼロから携わる。その活動は、ウェブサイトの枠に限定せず、動画やイベント実施などコミュニケーションという視点でのわかりやすさを追求。大学や社会人講座、企業における講演経験もあり多方面にて活動中。

▶ X(Twitter):@sevenina